Google Cloud Next Tokyo ’23 参加レポート

はじめまして。情報システムチームのnaraoです。

はじめに

今回のCREATORS BLOGでは、Google Cloud Next Tokyo ’23 の Day2(11月16日)に参加して、印象に残った内容についてご紹介します。

Google Cloud Next Tokyo とは

アメリカの Next で発表された製品の最新情報や活用事例を、基調講演と多様なブレイクアウトセッションにて紹介する、Google Cloud Japanが開催するカンファレンスで、多数のスポンサーブースも出展します。
今回は4年ぶりに東京ビッグサイトで開催されました。

https://cloudonair.withgoogle.com/events/next-tokyo

 

私はGoogle Workspaceを使い始めて1年半。Google Cloud は未知の世界ですが、流行りのAIではどのような事ができそうなのかの知識収集と、情報システムチームで使えそうな技術や発想のヒントを得るため、背伸びをして参加してきました。

全体的な所感

朝10時~18時までセッションを聞き続けましたが、「生成AI」の話題一色、そんな感じでした。

用語も難しく、製品名なのか、技術名なのか、特定の項目名なのか良くわからないながらも、これからの時代は「生成AI」を使うことで、次のように変わっていくのだなぁと感じました。

・検索結果を自身で取捨選択しなくても「AIとの会話の中で最善解を取得できる」
・プログラミングしなくても「AIとの会話で正しく依頼すれば、期待するフォームを作りあげられる」

印象に残った内容

1.『DAY2 基調講演内のコールセンターのデモ』

一番印象的だったのは、以下のような流れで画面が切り替わり、あっという間にAIが改善すべき点を洗い出してくれたコールセンターのデモでした。

<デモ画面の流れ>

解析しづらい非構造化データであるコールセンターの「音声」
 ↓
音声認識 AIを用いて構造化データである「文章」に(文字起こし)
 ↓
文章を
Googleの大規模言語モデルLLMであるPaLM(Pathways Language Mode)を用いて解析し、
その会話内容を30文字に「要約」(顧客がどう感じているか30文字で)
 ↓
「サマリー」の作成(コールセンター問い合わせ一覧)
 ↓
サマリーを「分類」(ex.待ち時間の問題、オペレータの対応の問題、商品への不満)
 ↓
何が一番問題なのか「改善すべき優先順位」が見える

⇒わずか数分の間に、それぞれの画面で次々と「解」が出てくる様は未来を感じさせてくれました。

2.『Google Workspace で実現する生成 AI 時代のセキュリティとデータ保護』

ユーザーに期待と安心を与えてくれる内容でした。

◆<強み>
クラウドネイティブなゼロトラストは、データをダウンロードする必要が無い事が強みである。
デバイスの中にデータが保存されない為、コンプライアンスとデータの所有権を維持できる。
つまり、Googleの利用で、場所とデバイスを問わずに安全を保つことが可能である。(確かに!)

◆<制御>
コンテキストアウェアアクセスの連携で、会社端末以外は閲覧を許可するがダウンロードは禁止できる。
コンテキストアウェアDLPで、公開情報は閲覧を許可するが、ダウンロードやドライブ共有は禁止できる。

◆<これからのセキュリティ>
AI分類システムはLLMモデルを活用し、
組織内の機密性の高い単語、文章、文節を理解しデータのリスクを定義する。
それを元に、Google以外の何処にアクセスし、何に使っているのか、どこで機密情報を多く扱っているかを見つける事も可能。Chronicle(クロニクル…Googleの経験を詰め込んだセキュリティAI)と連携し、リアルタイムで脅威が出現する前に阻止する。(いいねっ!)

◆<抑止>
データの暗号化は必須で、BringYourOwnKeyで解決する。管理者は複数人設定でき、一人が乗っ取られても別の管理者が動ける。

Googleでは悪用された既知の脆弱性が0件である。(格好いい!)

⇒なるほど!素直な私はGoogle信者になりそうでした。

3.『What’s Next for Security?|最前線のインテリジェンスとAI によるセキュリティの変革

一番聴きたかったセッション!英語通訳。しっかり記憶に残す予定でしたが、ほぼ理解できず玉砕。ということで印象に残りました(TOT)

◆何度も出てきた大事そうな単語
 グラウンディング…AIに対して正しい解を出させるために指定して伝える情報源
 Chronicle(クロニクル)…Googleが開発したSIEM(Security Information and Event Management)製品

⇒(多分)ポイントはこれ!
・トイル(自動化が可能なのに手作業で行われているもの)を減らす←脆弱性を少なくするため
・暗号化がデフォルトになる←リスクを中心に据えたアプローチ
・クロニクルというプラットフォームが特別になる←脅威を検出する

番外.『強みを活かす組織づくりへの変革を考える』

4社の実務経験豊富な登壇者によるセッションで、その通り!という名言ばかりでした。

◆イノベーションを生み出す組織に共通する6要素

1多様性の尊重・2ビジョン共有・3自主性・
4内発的動機付け・5リスクテイク・6つながりとコーポレーション

◆VUCA(ぶーか=速く物事が進んでいるが先行き分からない)の時代において、最も大切にしていることは?
・カルチャーはプロダクト。組織のカルチャーを大事にしている。
・IT業界はもう以前からVUCAだったよね(そのと~り!)
 組織は飛行機、飛び続けないと落ちてしまう、加速度を意識する、
 危機の場合は全員が知恵を絞ることで、心理的安全性を保つ

改革には、当事者意識とチームへの帰属意識を持つ、一人一人が責任を持つ、行動変異を。

さいごに

目的だった流行りのAI事情の一部にも触れることができ、他社もこぞって生成AIに主眼を置いてビジネスを進めて行きそうだということを肌で感じました。

カプコン井上様の「テクノロジーはすべて面白さのためにある」という言葉にワクワクしました。

4年前のキーワードは「クラウド」、そして今は「生成AI」だそうで、未だ暫くこの風潮は続くようです。
VUCAの時代、私も、飛び続ける為に当事者意識をもち、頑張って勉強していかなければと思いました。