2019年新卒入社メンバーのOJT研修

こんにちは。VP of Engineeringをしている里山です。

今回のCREATORS BLOGも、前回、前々回同様、新卒社員に研修での体験などを紹介してもらいたいとおもいます。今回は、3ヶ月のプロジェクトフォーカスラーニング研修が終わり、戻ってきた新卒の仲間にビデオマーケット社の各部署を1〜2日ずつまわってきてもらった、OJT研修の内容をお伝えしたいとおもいます。

OJT研修

こんにちは。19新卒入社の緒方です。

私たちは外部で3ヶ月のプログラミング研修を終えた後、1ヶ月間自社でOJT研修を受けました。運用の流れに沿って部署を周り、業務の説明を聞いたり実際に体験してみたりすることで、各部署について、また、各部署の関係について理解することを目的としてOJT研修が行われました。OJT研修の内容について、弊社の権利許諾から配信までの運用の流れに沿って、以下のような順序でお伝えします。

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権利許諾

弊社には、作品獲得と許諾交渉を行なっている部署があります。許諾交渉と言っても様々で、単に権利元様から作品を配信する権利の許諾交渉だけではありません。

例えば、

  • プロモーション案件の許諾

  • デバイスの配信解放の許諾

なども必要です。

作品を獲得したからと言って、好き勝手に配信できるわけではないことに驚きました。デバイスの配信解放の許諾とは、スマートフォンやテレビなどの各デバイスで配信をして良いかの許諾です。作品獲得という形で、商品拡充を担う部署ですが、そのためには許諾交渉がとても重要だとわかりました。

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ランキング予想

この部署のOJT研修では、弊社とアライアンスを組んでいる、「DMM動画」様、「music.jp」様と、自社サービス「ビデオマーケット」での、「アニメ」と「ドラマ」のランキング予想をしました。予想のために、各サービスでの作品の売れ方の傾向を各々調べてみました。

同じ作品を持っていたとしても、人気の作品は異なることに気付きました。例えば、国内ドラマが上位を占めているサービスもあれば、韓国ドラマが上位を占めているサービスもありました。これは、各サービスのユーザの属性が異なるためだと考えられます。

編成業務

弊社の編成業務を行なっている部署では、ユーザに作品を効率よく届けることを目的としています。

主な業務として、

  • メタ登録

  • 商品情報登録

などがありました。

メタとは、作品に付随する文字情報のことです。商品情報登録とは、作品をスケジュール通りに配信するために、開始日や販売価格などの情報を動画に紐づけする作業のことです。

作品監修システム

OJT研修では、画像監修システムのリニューアルを実際に体験しました。弊社側で作った作品の画像に問題がないことを、作品の権利元様にチェックしてもらわなければなりません。数百の権利元様がいるため、弊社では画像監修をシステム化しています。

まずは各々、ペーパープロトタイプを作成しました。ペーパープロトタイプとは、画面レイアウトのイメージを簡単に紙に書いたものです。その後、新卒全員でアイデアを共有し、画像監修システムの画面イメージを作成しました。

実際にリニューアルを体験する中で最も意識したのは、そのシステムを使う人の気持ちです。想像するのは難しかったですが、どうやったら使いやすいか、効率よく作業してもらえるかを常に考えて作成しました。プログラミング研修では、開発する上での都合の良さばかり考えて、実際に使ってみると無駄な機能や足りない機能が見つかったことを反省点としてあげていました。その反省を活かせた気がします。

エンコード・再生基盤

エンコードとは、映像データの圧縮のことです。権利元様からいただいた映像データを、品質、サイズ、お客の通信環境など様々な状況に対応するような再生方式に変換して配信しています。このような作業のことを、ポストプロダクション(ポスプロ)と呼びます。弊社には、タイトル別、品質別、サービス別など、様々な動画ファイルを配信できる再生基盤があり、アライアンス先を含めた各サービスに動画を配信しています。また、動画の著作権管理のため、DRMシステムを自社で運用しています。これらのシステムを自社で内製することで、動画のエンコードから配信、セキュリティまで一貫して運用できるようになります。

自社サービス開発

自社サービスは大きく2つの部門で構成されています。

  • 「新規ユーザを増やす」ためのマーケティング部門
  • アプリの欠陥を減らしユーザの離脱をなくすことで「アクティブなユーザを増やす」サービス開発部門

まずは、サービス開発部門からOJT研修を受けました。

サーバAPI

サーバサイドのOJT研修では、自社アプリのお知らせの既読判別API作成を体験しました。お知らせの既読判別APIとは、以下の画像のように、アプリに届いたお知らせを未読の時は赤い印がつき、既読の時はその印が消える処理をするものです。

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まずはフローチャートを考え、その後に実装をしました。開発ツールとして「IntelliJ」を使用し、言語は「Java」を使用しました。

下の図は、実際に使用したフローチャートです。

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既読か未読かさえ判別すれば良いと簡単に考えていましたが、それだけでもとても大変でした。なぜなら、どのような状態のことを「既読」、「未読」とするのかを考える必要もあるからです。例えば、既読か未読か判断するためには、お知らせの最新登録日時とユーザの既読日時を比較する必要がありますが、私にはその発想がありませんでした。フローチャートを考えていく過程で、未読か既読かは単なる結果であり、その結果を出すためには、様々なパターンの比較などを想定しながら、処理に漏れがないようにする必要があるとわかりました。

アプリ

アプリチームのOJT研修ではアプリ開発を体験しました。アプリについては、リニューアル開発の終盤とのことで、実業務ではなく、アプリ開発の導入として、簡単なアプリの作り方を教えていただきました。アプリ開発では、開発ツールとして「android studio」を使用し、言語は「Java」を使用しました。まずは、名前を入力すると、「〇〇さん、こんにちは」というメッセージと画像が表示されるアプリを作ってみました。

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その次に、じゃんけんアプリを作ってみました。先にレイアウトを作成し、その後に処理の部分を作成しました。

プログラミング研修のときにもじゃんけんの処理を書いたことはあったので、それを思い出しながら書いてみました。しかし実際には、もっとシンプルな書き方があることがわかりました。書き方はシンプルで綺麗でも、考え方は少し複雑でした。

マーケティング

マーケティング部のOJT研修では、マーケティングの基礎的用語などについて学んだ後、以下のような課題に取り組みました。

他者VODサービスとの比較

OJT研修では、国内のVODサービスを、STPというマーケティング分析手法を使って比較しました。STPとは、市場を細分化し(Segmentation)、狙う市場を決定し(Targeting)、自社の立ち位置を明確化(Positioning)していく分析手法で、3つの単語の頭文字をとったものです。ユーザの行動を客観的に把握することができ、それに沿って事業展開を考えていくことができます。

比較をすることで、自社と他社サービスの特徴と、そこから見えてくる強みがわかりました。自社サービスの「ビデオマーケット」には、「作品数の多さ」や「配信スピードの早さ」という強みがあることが見えてきました。

アライアンス

弊社は、「DMM動画」様、「music.jp」様、「SHARP COCORO VIDEO」様とアライアンスを組んでいます。そして、各アライアンス先に、弊社が獲得した作品を提供しています。実際にDMM.com様を訪問し、ミーティングに参加いたしました。アライアンス先に対しては、弊社は再生基盤とコンテンツを提供しているものの、実際のサービスはアライアンス先で運用しています。

再生基盤の安定化やユーザ課題の共有など、お互いの課題を共有する場が必要であるとわかりました。

OJTを振り返って

OJT研修で各部署を回ることで、理解できていなかった仕事の流れがわかりました。また、3ヶ月の外部研修のため関わったことがなかった方々と交流できました。部署ごとに仕事内容や直接的な目標は違っていましたが、お互いの仕事内容を理解することが、会社としての大きな目標を達成していくための第一歩のように感じました。